会長挨拶

日本蘇生学会 第37回大会にあたって

川前 金幸

この度、第37回日本蘇生学会を山形県天童市で開催することとなりました。

テーマは「Let’s save the preventable death!! (さあ救おう!!救える命)」です。

麻酔、救急、集中治療の領域において、蘇生学とは防ぎえる死亡を回避し、救命するための医学として進歩、発展してきました。

本学会は、以前、麻酔科学会を中心としてその救急医療を担う分野として創設されました。現在は、麻酔科医のみならず救急医の先生方、看護師、救命士、臨床工学士、等々、多職種の学会へとそのすそ野を広げ、様々な形で情報交換できるような場になっています。

蘇生学は、手術・麻酔時の蘇生、外傷、中毒、熱傷、冠動脈疾患、脳卒中、高齢者から新生児、母体救命、人工呼吸、ECMOによる蘇生、そして看護、迅速な連絡と救命、等など多岐にわたります。それら救命のためには、各診療科、その他の医療従事者との連携も重要な因子となってきます。そして、蘇生法も一般市民への啓発も重要な役割です。今回は蘇生に興味、関心、使命、情熱、そして発信したいと意欲のある方々にお集まりいただき、情報共有したいと考えております。

「行ったことのない県を5つ挙げてください。」と尋ねると、「山形県」を挙げる方は少なくありません。しかしながら、山形には蔵王を始めとする自然豊かな観光名所、名産品ともいえる美酒、美食が多く、昨年から山形空港は名前を「おいしい山形空港」と呼んでいます。また、織田家由来の方が持ち込んだという将棋の駒作りも日本一で、名人戦等々行われています。そして名湯温泉宿も少なくなりません。学会での疲れを癒しつつ、リフレッシュして頂き、参加者の方々の思い出に残る情報交換の場となりますことをお約束いたします。

是非、参会、発表等して頂き明日への活力を持って帰っていただければと存じます。

日本蘇生学会 第37回大会 会長 川前 金幸 (山形大学医学部麻酔科学講座 主任教授)